ハーレーエンジンの進化について
ハーレーでは、歴代エンジンに対して外観の特徴を捉えて命名をしており、進化の過程としては大きく6つのタイプを上げることができます。まずフラットヘッドがあり、ヘッドを外すとバルブもロッカーアームも無くフラットなことから命名されています。1929年からD系750ccで登場しており、1974年という長期に渡って生産されています。
2つ目となるナックルヘッドは、ヘッドの形が人間の拳に似ていることから命名されたており、1936年に登場してたE系1000cc、1941年に追加された1200ccと共に1947年まで販売されています。パンヘッドは1948年からナックルヘッドに代わって発表されており、1000ccが1952年、1200ccは1965年まで販売されています。
4つ目のショベルヘッドは1966年から1985年の1300ccモデルまで続き、同年にはエボリューションエンジンとして広く知られているブロックヘッドが販売されています。ブロックヘッドは1340ccモデルとして1998年まで販売されており、その後、ツインカム88(エイティエイト)へとフルモデルチェンジされています。
ツインカム88は太ったように見えることからファットヘッドと呼ばれることもありますが、通常はツインカムの名称が使われています。ツインカム88はハーレー特有のV型2気筒の外観を持ち、大きな特徴として内部に徹底した見直しが行われている点があります。エボリューションの1340ccから1450ccにボアアップが図られており、初めてショートストロークされた高回転域に強い特性のあるタイプへと進化しています。
新しいエンジン「ツインカム」
1990年代のアメリカにおいては約90キロの速度規制がありましたが、それは100キロ以上に引き上げられたことから新しいパワフルなエンジンが求められるようになりました。それに応える形でハーレーが1999年に世に送り出したのがツインカム88と呼ばれるニューエンジンでした。
従来のエンジンと比較すると、空冷45度VツインOHVというのは踏襲しながらも、排気量が1340ccから1450ccへとサイズアップが図られ、さらにワンカムからツインカムへと進化しました。また冷却効率が約50%ほど向上し、厳しい排気ガス規制にもしっかり対応していました。
カムシャフトを2本にした背景には、ハーレーユーザーの多くが常にモアパワーを求める中、伝統的なワンカム方式ではエンジンサイズが大きくなり過ぎてしまうなど、様々な面で限界があったことがあります。そこでカムシャフトを前後に振り分けることによって、この問題の解決を図ったわけです。
なお、1999年当初はすべてのハーレーファミリーにこのニューエンジンが搭載されたわけではなく、ツーリングとダイナに搭載され、その後すべてのビッグツインがこのニューエンジンに交替していきました。
日本製小型バイクの影響でシェアが低迷
アメリカ産のバイクとしてハーレーがあまりにも有名ですが、その知名度とは裏腹にシェアが下がり続けている状態です。昔のアメリカではハーレーの普及率が70%程度という、圧倒的な割合で所有されていた輝かしい歴史を持っていましたが、その後に日本の小型で燃費の良いバイクが輸入されてから、一気に30%程度にまで下がってしまいました。
また、日本でも愛好家の多いバイクではあるものの、昔に比べるとその数が少なくなっており、2017年4月に発表した情報によると、前年度の同じ月に比べて新規の登録台数が6%以上下落しています。この下落傾向は4ヶ月続いており、徐々に普及台数が下がってきている状態です。
一方で進化を続けている部分もあります。普及率が低下しても売上自体は伸ばしている状態です。愛好家に対して魅力的なサービスを提供しているのがその理由の一つです。会員制度を設けており、世界中に100万人以上の会員がいるとされています。
また、現代のニーズに合わせる形で、750ccクラスという、今までよりもやや小ぶりのバイクの普及に乗り出しています。小ぶりになったことから価格も安くなり、85万円くらいでもハーレーが購入できるほど、進化を遂げています。
ハーレーの中で、小型で人気の高いモデルはスポーツスターです。女性でも扱いやすいサイズで、販売価格も手ごろなことから人気を集めています。アメリカほど道路が広くない日本でも走りやすいモデルで、アメリカ人よりも小柄な日本人の体型には、スポーツスターが合っています。人気があるので、多数のカスタムパーツが販売されているので、自分好みのカスタムも楽しめます。
下記は、スポーツスター専門で紹介しているサイトです。
http://www.スポーツスター.net/
スポーツスターの乗り心地やデザイン性などが詳しく紹介されています。オススメですので、読んでみてください。
ハーレーをカスタムする際の法律的な基準
ハーレーは、日本ではなく海外で生産されているバイクであるため、カスタムの基準も海外の基準でパーツが作られているケースが多いです。そのため、カスタムを行う際には日本の法律を破らないように気をつけなくてはいけません。
例えば、ミラーに関してハーレーでカスタムをする際には見栄えが悪いとして片方を外してしまう人がいます。実は、ミラーに関しては右側に付いていれば問題がないのでこの整備は認められています。ただ、左側につけてしまうと違反になってしまいますので注意をしなくてはいけません。少しの間違いで違反をとられてしまうので、パーツをつけたり外したりする際には注意が必要です。
また、ハーレーの中で最も違反になりやすいのが騒音に関してです。マフラー等を整備することによって大きな騒音が周囲に漏れてしまうバイクがありますが、バイクや自動車の騒音に関しては、騒音規制法という法律があります。ハーレーは元々エンジンに特徴があるバイクであるため騒音が出やすいバイクです。
一方で、日本の自動車やバイクに関する騒音の基準は、世界で最も厳しい基準であると考えられていますので少しのパーツの変化で違反になってしまう可能性は否定できません。